当院では、陶板浴の機器を設置しています。
本題とは逸れるので触れませんが、陶板浴と出会ったのは本当に偶然でした。
陶板浴の存在を知って興味を覚えた私は、まずは自分自身で体験をと思い、東京に研修に出向いた折に別途陶板浴を体験させてもらいに出向き、その良さを体感し、翌日には注文していました。
陶板浴と聞いてもピンとこない方は多いかもしれません。イメージとしては、岩盤浴を思い浮かべてもらえばいいですが、岩盤浴とは似て非なるものです。

陶板浴は、「善玉酵素溶液」という特殊な物質が練りこまれたタイルの上に、20分~30分程度横になるものです。
陶板浴では、テラヘルツ波という光波と電波の中間の周波数をもつ波が放射されます。
私たちのからだを構成している有機分子を始め、多くの分子がテラヘルツ周波数帯域で分子内振動、分子間振動を生じているため、テラヘルツ波は、産業や医療、情報通信など、様々な分野での応用研究が広がっているようです。
テラヘルツ波は、電離作用を持たず、一般的にいって、生物学的に無害であると考えられています。
(※電離作用とは、放射線が原子核の周りを回っている電子を軌道の外に弾き飛ばす作用のことで、これにより元素は非常に不安定な状態となり、生体にとって不都合な化学反応が起きることがあります。)

テラヘルツ波は、遠赤外線より波長が長いので、より体内深部に到達し、深部の血流を促進し、深部体温を上げることが期待されます。
また、テラヘルツ波は、1秒間に1兆回の振動を繰り返し、水分子に吸収され、共鳴、共振を生じ、「ナノ粒子化(細分化、最小化)」現象を引き起こすとされています。
このため、陶板浴では岩盤浴と違って汗をかきません。実際は、汗をかくのですが、汗の水分が最小化されるため、水滴のような汗を感じることはありません。ですので、陶板浴前後は、しっかりと水分(できればミネラル入りの)を補給することが大切です。
さらに、テラヘルツ波は、細胞の新陳代謝を促進し、組織の修復に働くことも徐々に明らかになってきたようです。

陶板浴の体感的な良さは、以下に挙げられます。
(1) 自然なやさしい温かさで、とても心地よい
陶板浴を行うと、副交感神経が活性化すると考えられます。いつの間にか寝ていることも多いです。
(2) 汗をかかないので、服を着たままでも行うことができる
クリニックで行う上では重要です。

当院で陶板浴を導入した理由は、以下のことを期待してのことです。
(1) こころとからだを緩める、自律神経のバランスを整える
(2) エネルギーのチャージ、免疫力の向上
(3) 血流の改善、体温の向上
(4) 腸内環境の改善
(5) 抗酸化力、デトックス能力の向上

現在、どのようなプログラムを組んで、どのように行うとより効果的か、色々と頭を巡らせているところです。
まだ陶板浴をきちんと実施できる体制が整っておらず、今のところ主にスタッフに対してのみで、患者さんにはあまり実施できていません。
ですが、とてもいいものだと思いますし、こころとからだを整えていく上で大変有用と考えていますので、ゆくゆくは提供できる体制を整えて、陶板浴療法を施行したいと考えています。

 

次回はスタッフの体験談を述べさせていただく予定です(^^)。

 

 

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