水琴は、したたり落ちる水滴を利用した楽器で、そのルーツは水琴窟です。
水琴窟は、陶器の甕の底に穴を開け、地中に伏せて埋めた装置で、昔の人は、水の溜まった地中の空洞に水滴が落ちる音を琴になぞらえて愛でたようです。
現代社会は、人工音による低周波に満ちており、心身への影響が懸念されています。
逆に高周波の音は、モーツァルトの音楽のように、リラックスを促し、集中力を高め、自律神経のバランスを改善するなどの報告がされています。
水琴の開発者の大橋智夫さんは、水琴の特徴として、①高周波を多く含む②倍音を多く含む③ゆらぎの効果、を挙げています。
先ほど述べたように、高周波には脳を穏やかにしたり、活性化したりする作用があります。
倍音とは、元の音の整数倍の周波数を持つ音のことで、シンギング・リンもそうですが、倍音の豊かな楽器は、人にとってとても心地よいものです。
さらに水琴は、水滴音という自然の音を利用していますので、音のゆらぎが生まれます。ゆらぎのない単調な音は、聴いていると疲れてきます。
水琴は、高周波や倍音、ゆらぎを多く含み、心身を癒し、自己治癒力を高める働きがあるものと考えられ、実際に医療の現場に導入しておられるクリニックさんもあるようです。
当院では、水琴を待合に設置していますが、朝出勤時に水琴の音色が迎えてくれるので、こころがホッとします。また、疲れたときに、待合の椅子に座って水琴に耳を傾けていると、段々とボーとしてきて、眠りに誘われます。
待合が、日々の疲れやしんどさを癒し、新たな活力を得ることができる空間になるといいなと思っています(^^)。

    

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