前回からの続きです(^^)。

 

最後に、お二人挙げておきます。

一人は、精神科医の藤川徳美先生です。藤川先生は、三石先生と欧米のオーソモレキュラー(アンドリュー・ソウル博士など)を理論的背景に広島で臨床を行っておられる先生で、今最も勢いのある先生の一人となっています。

今や精神疾患のみならず、それ以外の疾患の治療のために、全国からクリニックに押し寄せるほどの先生のようです(初診は中国地方の方のみに限定されたようですが)。

今までに何冊か一般向けのご著書を著わされていますが、インパクトの強いものでした。

なぜこれほどのインパクトがあったのでしょうか?

私なりに、いくつか理由を考えてみたいと思います。

 

①元々はアカデミズム的な要素の強い先生であり、論文も多く執筆された経歴があるので、社会的な信用を得やすかった。

②著書の文章は力強く、自信にみなぎっており、また既存の精神科治療、製薬会社、学会批判も辞さないほどの率直さがあるので、読者も惹き寄せられやすい。

③著書に記されている治療理論、手法は、極めて単純明快であるので、読者も理解、実践しやすい。

④家庭ですぐにでも始めることができるほど、具体的、実践的な内容がふんだんに盛り込まれている(サプリメントの用量、用法、使用順序など)。

⑤オーソモレキュラー実践機関では、メディカル・サプリメントという医療機関向けの高品質のサプリメントを勧められることが多いと思われるが、これは費用的にも入手経路的にも敷居が高いものであった。藤川先生は、i-Herbやアマゾンなどのサイトで、誰でも一般的に入手可能で手頃な価格のサプリメントを推奨しており、このことも家庭での実践につながりやすかった。

 

もう一人は、森山晃嗣先生(非医師)です。

森山先生は、ロジャー・ウィリアムス博士の「You are what you eat(人は食べたものでつくられる)」(今はダルビッシュ投手の言葉として引用されることが多いですね)という「いのちの鎖論」から出発し、早くから食事、栄養の大切さを訴え、「正常分子栄養学」を提唱されました。

とくに、がんの栄養療法、統合医療の普及に尽力され、毎年行われる日本がんコンベンション(NPO法人がんコントロール協会主催)は、今年で26回目となります。

森山先生の姿をみていると、継続することの大切さを実感します。

 

以上、日本の栄養療法、オーソモレキュラー療法の歴史を人物を軸に駆け足で簡単にレビューしてみました。

私個人の見方ですので、事実誤認などがある場合はご容赦、ご指摘ください。

ここに挙げさせていただいた先生方以外にも、現在多くの先生が、素晴らしいオーソモレキュラー療法の実践、臨床をされています。

オーソモレキュラーが医学の主流になることはないでしょうが、これからもますます広がりをみせると思われます。

と同時に、“治療レベルの格差”も広がってくると思われます。そのようななかで、治療の質の担保は重要になってくると思われます。

オーソモレキュラーが、正しい形で理解、普及されることを望んでいます。

 

JR尼崎駅南側 心療内科・精神科  たかはしこころのクリニック