こんにちは、ニューロフィードバックセラピストです。

 今回は、いくつかあるニューロフィードバックの有名な研究成果から、アメリカの退役軍人を対象にしたものを簡単にご紹介しましょう。

 この研究は、ヴァージニア州入院患者センターにおいて、心的外傷後ストレス障害(現在ではPTSDともいわれます)を発症した29人のベトナム戦争退役軍人を対象に行われました。

 

 参加者は無作為に、つまりランダムな方法で15人のニューロフィードバックグループと14人の対照群にわけられました。

 15人のニューロフィードバックグループは、30分のニューロフィードバックトレーニングを30回行いました。

 14人の対照群は薬物療法を中心とした通常の治療を受けました。

 そして2つのグループのそれぞれで、30カ月にわたる経過観察が行われました。

 

 結果、対照群の14人全員が、心的外傷後ストレス障害の症状を再発しました。また、うち1人が投薬量を減らし、10人はより多くの薬の処方が必要となりました。

 一方、ニューロフィードバックグループでは、15人のうち3人が再発しました。また、全員が投薬の量を減らすという結果が得られました。

 

 以上、アメリカで行われた研究の概要をかいつまんでお伝えしました。ニューロフィードバックのPTSDに対する無作為化比較対象試験の結果でした。

 

 まだまだ対象者が少ない初期の研究ですが、ニューロフィードバックのPTSD治療への可能性を見出したポイントとなる研究成果と言えるでしょう。

 主にアメリカを中心にこうした研究は進められてきました。そして日本でも、うつ病、ADHDに対する対象研究が進んでいます。

 これからどのようなことが明らかになって行くのか、ニューロフィードバックの未来がとても楽しみですね。

 

 

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 たかはしこころのクリニック