こんにちは、ニューロフィードバックセラピストです。

 蒸し蒸しとする日が多くなってきましたね。天気や気圧の変化もメンタルヘルスに大きな影響を与えます。しんどいなだるいなと感じたら無理をせず、滋養のあるものを食べ、少しでも休息を取ってください。

 

 今回は、ニューロフィードバックがどんな風にして発見され、療法として確立されるに至ったか、そんなお話をさせていただこうと思います。

 

 そもそもニューロフィードバックで測られる「脳波」は、いったいいつ、どのようにして発見されたのでしょう。

 

 初めて脳波を発見したのは、ドイツの神経科学者、精神科医のハンス・ベルガー(Hans Berger)です。

 有名な精神科医、ハンス・アスペルガー(アスペルガー症候群(現在のADHD)の名前の由来となった)とはまた別の人物ですが、奇しくも彼らは同じ激動の時代を生きていました。

 

 ハンス・ベルガーの遺した功績は、まず、ヒトの脳波の発見と記録、そしてアルファ波とベータ波の名付け親であることだといえるでしょう。神経生理学が今日の姿となるための極めて重要な発見です。しかし、彼の人生は決して輝くエリート街道をひた走るものではありませんでした。

 

 ハンス・ベルガーは、脳波を発見する前に、神経解剖学や脳血流、脳温計測など、当時最先端の研究を行っていたことが明らかになっています。

 しかし、いざ脳波の計測に成功してから論文を発表するまでに5年、さらに論文が学界で認められるまでに5年の歳月を要しました。計測した脳波とアーチファクト(計測時に混入するノイズ)との区別の検証に大変な時間を費やすも、当時の神経生理学界には、なかなか受け入れられませんでした。脳波の発見による功績で数度ノーベル賞に推薦されるも受賞には至らず、当時権勢をふるっていたナチスとの関係に苦慮していたことも窺われます。

 

 ここまでおおまかにハンス・ベルガーの人生を概観してきました。

 脳波の発見という功績の輝かしさとは裏腹に、苦悩の多い人生だったのかもしれません。

 

 

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 たかはしこころのクリニック