皆さん、こんにちは(^^)

当院では、今年1月からニューロフィードバックセラピーを導入しました。ここでは、担当セラピストから皆さんに向けて、ニューロフィードバックとはどういったものなのか、その方法や効果、脳波にまつわる小話など、さまざまな情報を発信していきたいと思います。

 

今日まで、こころとからだ、そして脳の関係についてたくさんの新たな発見がなされてきました。科学が発達した現代においても、脳は人体で最も神秘的な領域のひとつであり続けています。どうしようもなく心が落ち込む時、大きな不安に心が支配されるとき、脳でも何かが起こっているのです。

ブログ1回目の今回は、脳と脳波について簡単にお話させていただきましょう。

 

脳には、1000億個を超える神経細胞(ニューロン)があります。そしてそれらは電気信号によってお互いに情報を伝えあい、天文学的な途方もない規模のネットワークを脳内につくりあげているのです。

1920年代、人は脳に対する理解を大きく深める一歩を踏み出しました。「脳波」の発見と計測です。オーストリアの精神科医、神経科学者のハンス・ベルガーは、人間の頭皮に電極を置いて脳の電気的活動を取り出す事に成功しました。そして、この電気的活動が頭皮の筋肉運動ではなく、脳全体から発生する脳波であることを立証したのです。

ベルガーが「脳波」の発見をしてから、脳波は脳の異常を発見するツールとして臨床医の間で急速に普及しました。脳波は周波数(波の速さの程度)によって主に以下の5つに分けられます。

デルタ波、シータ波、アルファ波、ベータ波、ハイベータ波

デルタ波が最もゆっくりとした波で、ハイベータ波が最も早い波となります。それぞれの脳波が、いつ、どの程度出ているかを計測することで、その人の覚醒状態(睡眠やリラックス、集中の状態)を知るのに役立てることができます。良い脳波、悪い脳波というものはなく、生活のあらゆる場面でその場面に応じた適切な脳波があらわれていることが重要になるのです。(それぞれの脳波がどんなときにあらわれるのか、詳しくはまた別の回に取っておきましょう。)

 

さらに、脳にはある特徴があります。それは可塑性(かそせい)。脳の構造や組織は絶えず変化するということです。そしてこの「脳の可塑性」をもとにしてニューロフィードバックセラピーが誕生しました。

 

脳内では、外からの刺激によって神経細胞の間で回路が作られ、同じ細胞間での活動がくり返されることによって、その回路が強化されていきます。ニューロフィードバックセラピーでは、頭皮に電極を付け現在の脳波を計測します。そして、20分ほどモニターに映るゲームを「見る」「聞く」ことによって、望ましい脳波を脳にフィードバックします。脳が自ら学習することで、より望ましい脳波状態の構築を目指していくのです。

 

今回は、脳と脳波のお話、ニューロフィードバックセラピーの前段階を追ってきました。脳にはまだまだたくさんの可能性が秘められています。あなたの脳では今どんな脳波があらわれているでしょう。ニューロフィードバックセラピーは、脳の学習とその定着を通して、こころを健康に保つのにひと役買えるかもしれません。

 

ではまた次回に!

 

たかはしこころのクリニック