皆さん、こんにちは。
たかはしこころのクリニック 心理士です。
皆さんに少しでも私の行っている仕事・役割について知っていただきたいと思い、筆をとっています(パソコンですが…)。

皆さんは、“カウンセリング”にどのようなイメージを持っているでしょうか。
深刻な悩み事を聞いてくれるところ、話して問題が解決するの?効果あるのかな…?料金が高い、などが一般的によく聞かれるイメージのように思います。
そのようなイメージと、私が思うカウンセリングの実際を紹介していきます。

〈深刻な悩み事を聞いてくれるところ〉

近年少しずつ、心理士の働く場所が増えてきています。学校のスクールカウンセラーさん、会社にいるカウンセラーさん、医療現場にいる心理士さんなどなど。身近に増えてきつつあるものの、接したことがないという方は多いと思います。かくいう私も心理士という職に就くまで、心理士さんと話したことはありませんでした。しかし人生で二度ほど、カウンセラーさんと話してみたいと思ったことがあります。

小学校時代、転校が多かった私は、友達作りに苦戦し、子どもながらに悩みながら学校生活を送っていました。当時おられたスクールカウンセラーさんはとても親しみやすい先生で、話してみたいとは思ったものの、何をどう話せばいいのかわからず、関わることはまったくありませんでした。また、スクールカウンセラーさんのところに行く=悩みごとがある弱い人間 だと思われるのではないかという不安もあり、カウンセリングルームに近かなかったようにも思います。

時は流れ大学に進学し、卒業後の進路で迷いに迷っている時期。大学の学生相談室のカウンセラーさんのところへ相談しに行きたいと思ったことがありました。指導教員やキャリアセンターの先生に相談はしていましたが、周りに他のゼミ生などの学生がいたり、あまりしっくりこないアドバイスをされたりして満足感がなかったのが理由でした。しかしここでもやはり何をどう話せばいいかわからないこと、話している内容が指導教員にバレてしまうのではないかという不安で相談に行けませんでした。

カウンセリングの敷居の高さ、行きにくさは私もよく体験しました。それを払拭することは簡単ではないと思っています。ただ、私が心理士になって思うのは、“カウンセリングは深刻な悩みがある人だけがいくところ”ではないということです。〇〇で困っている、辛いことがあるからカウンセリングに行くという側面ももちろんあります。しかし困っていることが漠然としていたり、なぜだかわからないけどしんどい、生活がしづらいといったときこそカウンセリングは役に立つ可能性があります。心理士は、話を聴き、問いかけながら患者さんの困っていることについて共に考えます。そして患者さんの希望や目標に向かっていけるようなサポートをします。一人では困りごとや希望が見いだせないことはままあります。考えや気持ちを誰かに話す、それらについて対話し続けることで様々な変化や気づきを生み出すこともカウンセリングでお手伝いできることです。

また、家族や職場など身近な対人関係での悩みは身近な人には話しにくいものです。こんなこと言ったらどう思われるかな、人間関係がギクシャクするかもと、いろいろな不安がついてまわります。秘密が厳守される場で第三者に話せるという点も、カウンセリングの良さです。

少しでもカウンセリングの敷居の高さやとっつきにくさが軽減できたらいいなと思いますが、この敷居の高さやとっつきにくさもカウンセリングの大事な要素だと思います。
長くなりましたのでこの続きはまた次回にでも。

〈カウンセリングとは何か?その1 まとめ〉

  • 一人では見いだせない困りごとや希望、問題解決を作り出す場である。
  • 身近な人間関係から少し距離をおいた第三者に自分のことを話すことができる場でもある。